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 混浴温泉世界。別府の街中で今開催されている国際美術展です。
この回はいつもと違って、私の脳内の整理も含めたクソまじめな感じでお送りします。
許してちょんまげ。


混浴温泉世界関連企画「わくわく混浴アパートメント」に出品するという事だったけど、
実際に行って見た印象は、スラム街にも似たプライべート臭の強さだった。
コインランドリーで洗われている若い誰かの洗濯物を覗くような、そんな意味では「わくわく」である。



住宅地の中に唐突に現れる古びたアパートは、そのノスタルジーに感化されるものを多発させるのだけれど、私が行った時はもう既に、絵に描いたような貧乏美大生の下宿さながらだった。ある種のリアリティがそこには再構築されていて、それもおもしろい。

アパートの住民は入れ替わりが頻繁にあるが、一過性のバーチャル家族的バーチャル安心感を得られる、特殊で楽しい場所だ。


しかし同時に私は根本的な問題点を感じてしまい、どう関わったらいいものかと考えあぐねてしまった。

総合ディレクターの芹沢さんは、若いアーティストの活躍の場を提供したいという意向で、この“実験の場”を用意した。
しかし、私の眼に映ったのは、“旅先で泊まれて作れる都合良い発表の場”でしかなかった。
仲良く暮らしているアーティストたちではあるが、本当に互いを社会を尊重するのであれば、「展示したもの勝ち」的状態で進行している今の展示形態にはならないだろうし、それに異議を唱えるアーティストがいるのかも疑問で、その馴れ合いに近い「親近感」と「作品軽視」の矛盾が妙だ。

学生時代、私は恩師の企画するアートプロジェクトの重心のずれに激しく噛みついた事があった。作品の善し悪しよりも、開催し継続する事に重きがあったからだ。どちらも大事なはずなのに。号泣しながら訴えたのが懐かしい。

表現者の視点は様々だ。
もし、そこで過ごした現象そのものを見せるのであればそれで良い。若さもにじみ出ていて、楽しくやっている雰囲気がある。
しかし美術拠点として見るのであれば、各々が主張し譲歩しこんがらがっている不協和音の中で笑う、一酸化炭素中毒を引き起こしそうな現状の気持ち悪さは否めない。

去年、ゼロダテ大館展という秋田のレジデンスに参加したが、少なくともそこにいたアーティストたちのほとんどは地域を十分意識していたし、それが作品によって表現された事で地域に何らかの還元がなされていたように感じた。そういう匂いが今回全くしないのだ。

私の抱いた違和感は、アパートメント内で無理に完結させているが為の作品飽和と、外部との関わりの欠落だ。
発表する事で起こるはずの社会還元が見えてこないのだ。
たぶん私が一般客だったら、「ふうん」と言って出てきてしまう。

芹沢さんは7年前、帯広でデメーテルという国際美術展をディレクションした。そのとき私が1.5km描いたケンケンパの作品を今でも話題にしてくれるのだが、あの作品もまた社会と展覧会を繋げる要素の濃いもので、手前味噌だがそれでも今振り返るとうまくいってたように思う。帯広市役所職員とスタッフの御理解に、今でも感謝を抱く。


その作品「街中ケンケンパ計画
これを辿って、散歩中のおじいちゃんが会場に着いてしまったり、スタッフじゃない一般人でさえも「ケンケンパを辿っていくと会場だよ」と道案内に協力してくれるようになった。


混浴アパートメントのもったいなさと収拾のつかない混沌を解決することができたら良いのに、と芹沢さんと話した。
私は来週後半から乗り込むのだけれど、「別府の街」と「混浴温泉世界」と「わくわく混浴アパートメント」をうまく繋げる方法が見つかるだろうか。いつの間にか何となくできてしまったアパートメントの「仕組み」と「体質」を、作家を尊重しながら壊すべきなんだ。それを私は作品で解決したい。
しかし、愛するものをより愛するというような自然な動機を起こすためには、私はまだ知らない事が多すぎる。その表象の一つが、考えあぐねてしまっているこの悶々。

さっき、自転車で東京から別府に来たカイノ氏から電話があった。移動で疲れた私を癒してくれた大分のあい子さんがメールをくれた。多分私は、こういう大事な人が多くなればなるほど解決欲とバイタリティが加速する。
ワインをガブガブ飲みながら、芹沢さんやカクオくんたちと正直な胸の内の話ができて良かった。管理人でコーディネーターの遠藤一郎氏や琴恵氏ともコミュニケートをとりたい。別府の魅力も知りたい。
次回別府入りし真っ先にやるべき事は、好きな人や物や事を増やす事だろう。

良い場所になるといいな。よかった、大なり小なり逆境があった。






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comment

最近テニスをかじっている俺です、こんにちはw
こういう真面目なエントリー増やしてくれると嬉しいよ
俺のジュンコセンセーへの興味はまさにこういうのを覗きたいってところにあるんだ
そしてこのエントリーはとても秀逸です

  • TERRY
  • 2009/05/16 1:11 PM

おお、テニス。あれは脊髄での反射神経とメンタル勝負だそうですよ。

ありがとう。
今日眼が覚めてすぐ、やりすぎちゃった感に若干戸惑ったけど、結局「まあいっか」と。O型ですんで。
マニアックな内容なのに、そう言ってくれると嬉しい。
とはいえ、解決策がまだ見つからなくってね。

  • ジュンコ
  • 2009/05/16 8:56 PM









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